水のコラム
排水口からボコボコ音が!原因を見極めて正しく対処しよう
排水口から「ゴボゴボ、ボコボコ」などの音が聞こえてきたら、故障のサインかもしれません。大きなトラブルにつながる前に、音が聞こえた時点での対処が大切です。
排水口の故障は、音により症状を見極めることができます。この記事では、配管から音がする原因と、修理をするかの判断方法を解説します。家庭で修理できるものは修理方法を解説していますので、そちらも参考にしてください。
排水口からゴボゴボ音がする原因
排水口から音がする原因は、複数あります。原因と、音が鳴る仕組みを解説しますので、不具合や故障の原因に心当たりがないか確認してみましょう。
一気に大量の水を流した
シンクや湯船に溜めた水を一気に流すと、排水口や配管の排水能力よりも、多い水が流れることになります。これにより、大きな音が出ることがあります。
一戸建てだと自分が水を流したときに出る音のため、疑問に思う方はあまりいないでしょう。集合住宅の場合、配管がつながっている関係から、ほかの階で流した水の音が聞こえてくることがあります。
お風呂に入る人が多い時間帯などの場合は、別の部屋の人が湯船の水を抜くなどの行為をしたことで、発生している可能性が高いです。
配管がダブルトラップになっている
トラップとは、下水から悪臭や虫が上がってこないようにするための設備で、S字や一回転した配管のことです。この中に、封水と呼ばれる水が溜められます。
通常、トラップはひとつだけですが、まれにこのトラップがふたつできている状態になることがあります。これが、ダブルトラップです。ダブルトラップがあると、トラップ同士の間に空気が挟まり、それが音を生み出す原因になります。
排水トラップや配管の不都合
排水トラップや配管をリフォーム・修理したとき、接続に問題があると、そこから音がすることがあります。洗濯機などの家電を買い替えたとき、排水口とホースのセットがうまくいかないときにも起こる原因です。
排水管や排水口が必要な家電をリフォーム・購入した後なら、この原因である可能性が考えられます。
配管の詰まり
ボコボコ音は、配管の詰まりによっても引き起こされます。配管内に汚れがあると、中が狭まり空気と水の排出がスムーズにいかなくなります。これにより、空気や水が配管内で移動して、音が鳴るのです。
音以外に以下の症状が出ている場合は、配管の詰まりが発生している可能性が高いです。
・排水機能が低下している
・悪臭がする
下水道の飽和による逆流
台風や大雨で大量の雨水が下水に流れ込むと、家庭用の配管まで逆流することがあります。このとき、ゴボゴボなどの音がします。低い土地で起こりやすい現象です。雨が止んだ後もしばらくは発生する可能性があるため、注意が必要な原因でもあります。
大雨や台風が直撃している最中や、その後に発生しているなら、逆流が起きていると考えてよいでしょう。
配管内の空気が塞がれている
通常、配管内は水と空気があります。配管内が完全に水で満たされてしまうと、空気が外に出られず、中で移動して音が鳴ります。配管内に空気の通り道ができない限り、改善できない原因です。
配管内に空気の通り道がなくなると、排水もスムーズにいかなくなります。ふたつの症状に該当する場合は、配管内のバランスが崩れているとみて間違いないでしょう。
なお、集合住宅の場合、この原因が発生しないよう配管内に空気の通り道ができています。集合住宅で発生した場合は、配管の故障を疑いましょう。
サイホン現象
集合住宅で起こりがちな現象です。配管内に大量の水が流れると、中の気圧が変化します。この変化に、トラップの中の封水などが引っ張られることがあるのです。この引っ張られるときに、ボコボコと音がするときがあります。
集合住宅の場合、水が配管を通る音だけでなく、配管内で発生する原因によっても音がします。落ち着いて対処するためにも、配管の仕組みを理解しておきましょう。
原因別対処法
原因を押さえたところで、対処法を学びましょう。原因ごとの対処法を解説します。中には修理の必要がないものや、業者の力が必要なものも解説しますので、修理の際の判断材料としても役立ちます。発生している原因のものを確認してください。
修理の必要がないもの
以下の原因は一時的なもののため、修理の必要はありません。
・一気に大量の水を流した
・サイホン現象
・雨水などの逆流
なお、雨水などの逆流が音だけでなく、汚水の吹き出しなどの被害が発生した場合は別です。水濡れした部分を拭き、殺菌するなどの応急処置をしたら、業者を呼びましょう。
雨水の逆流は、事前に排水口を水のうなどで塞いでおくことで予防できます。雨水の逆流が心配されるときは、事前に対策しましょう。
配管やトラップの不具合・故障は業者へ修理を依頼する
配管やトラップの不具合や故障が原因である場合は、業者へ修理を依頼しましょう。ホースの差し直しや、配管のナットを締め直すだけで修理できる程度なら家庭でも可能ですが、ダブルトラップなどはプロの力でないと修理できません。
配管内の空気と水のバランスが崩れている場合は、通気弁をつけることで改善できます。この施工も、業者の力が必要です。配管で困ったことがあれば、音が鳴るだけの場合でも、業者に相談しましょう。
詰まりによるゴボゴボ音を解消する手段
詰まりによるゴボゴボ音が発生している場合、詰まりを取る修理を行えば改善できます。家庭でもできる修理方法を解説しますので、思い当たる点がある方はこちらを確認しながら修理してください。
重曹とクエン酸を使う方法
配管掃除の中でも簡単なのが、重曹とクエン酸を使う方法です。重曹は油汚れなどの酸性の汚れに、クエン酸はせっけんカスなどのアルカリ性の汚れに効果があります。重曹とクエン酸は、排水口にこびりついた汚れに合わせて活用しましょう。
また、お互いをかけ合わせると、炭酸ガスを生み出し、その泡が配管汚れを取ってくれます。炭酸ガスを使って排水口掃除をするときは、以下の道具をご用意ください。
重曹……計量カップ4分の1
クエン酸……計量カップ半分
お湯……40~50℃程度の温度のものをコップ一杯分
道具を用意したら、重曹を排水口にふりかけ、その上にクエン酸をかけます。しばらくすると重曹とクエン酸が反応するので、そのまま30分ほど放置しましょう。時間が経ったら、お湯をかけて洗い流してください。
ラバーカップで汚れを取り除く方法
中に詰まっているものがある場合、ラバーカップが有効です。ラバーカップは、配管内を真空にし、引っ張り出すことで汚れを取り除きます。空気圧を変化させるため、中を塞いでいたものだけでなく、汚水も噴き出ることがあります。使用の際はご注意ください。
ラバーカップは、排水口の大きさや形状に合わせたものを用意しましょう。使うときは、排水口にカップ部分を押し込み、引き抜くときに力をこめることで詰まりを引っ張り出します。力をこめるタイミングを間違えると、汚れを配管内に押し込んでしまいます。
作業にはコツがいるため、気を付けながら作業してください。なお、ポンプとカップ部分が一体化した真空ポンプを使えば、ポンプを動かすだけで汚れを取り除けるため、簡単です。ラバーカップの動きが難しいようなら、真空ポンプを活用しましょう。
まとめ
排水口から音がしているときは、なぜ音がするのかを調べましょう。原因が分かれば、修理の必要性や、やり方の検討がつきます。原因の解明は、業者を呼ぶかの判断にも使えます。原因を正しく解明し、適切な対応をしましょう。
原因の中には、家庭でも修理できるものがありますが、まれに修理してもうまくいかないことがあります。うまくいかないときは、業者に修理や原因解明を依頼しましょう。
自分で無理に修理しようとすると、悪化することもあります。難しいときは、プロの力を借りてください。