水のコラム
水は放置すると腐る?その原因や起きる変化を詳しく解説!
外で買った飲料水を開けたあと、何日間飲めるのか疑問に感じたことはありせんか?
日常生活において水は欠かせません。しかし、水の賞味期限についてきちんと理解している人は少ないかもしれません。
そこで今回は、水を放置した場合に腐る原因とその変化の様子を詳しく解説します。
水は放置すると腐るか
日本では当然のように水を使えます。必要な際に必要な分量だけの水を使用したり飲用したりできる私たちにとって、水が腐ることについてあまり考えないのではないでしょうか?
体にとって水は貴重な存在です。日常生活で水を入手することに困ることはありませんが、災害のときは水が入手できないケースもあります。非常事態時に、飲めるかどうか悩まないために、水の知識を蓄えておきましょう。
もともと食品はタンパク質のような有機物が微生物との作用によって変わることで腐敗していきます。科学的にいうと、水は無機物であり、水自体が腐ることはありません。
薬や化粧品には「純水」といわれる不純物が除去された水が使われており、これらのものが腐っていくことはありません。
ただし、私たちが使っている水道水やペットボトルのような水は、そのような「純度の高い状態」とはやや性質が違うものです。
水は腐るとどうなるのか
常温のまま放置したり、冷蔵庫に入れておいたりしていた水を発見して「まだ飲めるかな?」と疑問に感じた経験はありませんか?食物と同じく水も腐ると臭いが変になり、見た目にも変化が見受けられます。
以下、腐敗した水の特徴をまとめます。
いやな臭いがする
腐った水からは硫黄臭がしたり、使い古した雑巾のようなカビ臭がしたりする場合があります。もともと水はそこまで臭いのするものではありません。「変だな」と感じたときは飲むのを直ちにやめましょう。
色の変化
赤色っぽくなったり、緑色に変わったりなど、確実に透明度を無くしていることが目で見て判断できるケースは腐っている場合があります。「この水おかしいな」と感じたときは注意しましょう。
味覚に異変
水には味がありません。苦味やいつもと違う味を感じた場合は飲まない方がいいでしょう。場合によりますが、開封済みの水や一時的に口をつけてしまった水は短い期間でも腐ります。
水の腐り防止法
できる限り水を安全に長く飲むことを考えると、いかに雑菌類を増殖させないようにするかが重要です。不必要な不純物や菌が侵入するのを防止することで、水が腐るまでの時間が変化してきます。菌の増殖を抑えるために注意しておきたい点をおさえましょう。
一度口をつけたペットボトルを使用しない
一時的に口をつけたペットボトルは飲み口部分に雑菌が繁殖するだけでなく、飲んだ際に唾液が逆に流れることによって水中に菌が広がり、水の腐りを早めます。
そして、同じペットボトルを洗って使う方法もあまりおすすめできません。本来ペットボトルは2度使うことを前提として製造されていないので、隅々まで綺麗に洗うのが難しい作りとなっています。普通に洗っても完全に菌を取り除くのは困難です。
完全に殺菌するためには、熱湯による消毒や薬剤を使用した消毒法が進められています。しかし、熱や薬剤により傷みやすい素材が用いられている場合も多く、おすすめできません。
雑菌を洗えないままのペットボトルを再利用することも水の腐りを進行させる原因になります。水を持ち歩く場合、ドリンク用ボトルや水筒を使用する方がいいでしょう。
冷蔵庫を利用する
開封済みの水やコップに移した水をそのままにしておくと、空気中にある菌が侵入したり、水中の菌が増殖したりする原因になります。部屋内や外の気温は菌が増えやすい温度帯である場合も多いので、そのままにしておくのはおすすめしません。
冷蔵庫に保存することで、菌の増殖を防ぎ、水が腐る速度を遅らせられます。災害時のために飲用水を常温のままで保存したいときは、専用の水や開けていないミネラルウォーター類を使いましょう。
水が腐るまでの時間
水道水は塩素の作用によって消毒されますが、水中の塩素の効力が続く時間は状況によってもさまざまです。そして購入した水や、天然製の水では腐るまでにかかる時間も異なってきます。
水のタイプや各状態の保存の基準を覚えておきましょう。
水筒に入れた場合
魔法瓶の水筒のように、水の温度をある程度維持できる水筒は、冷たい水の状態をキープできれば雑菌の増殖を防げます。日陰の涼しい場所だと3日間、冷蔵庫の場合は少なくとも1週間くらいは安全に飲めます。
ペットボトルの場合
ペットボトルの水の場合は、賞味期限も2年くらいと長いので、安心してしまいがちです。ただし一時的に開けて口をつけたものは、飲み口や唾液の逆流が理由で必ずといって良いくらい雑菌が侵入することになります。
また、常温のままにすることで雑菌の増殖をより促進してしまう場合もあります。
開けてしなければ、賞味期限まで保存しても大丈夫ですが、一時的に開けた水は冷蔵庫だと3日間、常温の場合は当日中に飲みきったほうが安全でしょう。
ウォーターサーバーの場合
水道水や市販の水とは異なり、保存料や塩素を含まないウォーターサーバーの水は昨今親しまれており、取り入れる家庭も増加傾向にあります。ウォーターサーバーの作りは微生物が混ざらないような構造になっており、サーバー内部は無菌のまま維持されています。
開けていない水だと設定されている期限までに飲んでしまえば大丈夫ですが、一時的に開けたものは雑菌が増殖しやすくなります。なので、1週間ほどで飲み終えるのがベストです。また、サーバー内からコップに移した水は塩素を含まないので雑菌が増殖しやすい状態です。そのままにしないように注意しましょう。
薬缶で沸騰させた場合
水道水を沸騰させることにより、水中に含まれる塩素がなくなり、効力を無くなります。時間経過して薬缶内の温度が低下し、常温に近い温度になるとより菌の増殖を促進させることにもなり、そのままにしておくと危険です。
薬缶でお湯を沸かすときは、毎回必要分だけを沸かすようにしてください。余ったものは冷蔵庫に入れて、できる限り早く消費してしまうほうがいいでしょう。
天然水の場合
湧き水のような天然水はクリーンで美味しいといった印象を持っている方も多いかもしれません。飲用として使われている湧き水は水質検査を通過した上で水汲み場所として認定されていますが、保存には不向きです。
殺菌処理がされていない天然からの湧き水を汲み飲用にしたり、調理に使ったりするときは必ず冷蔵庫や冷暗所で保存し、3日くらいで全部使うようにしたほうがいいでしょう。
非常用の水は長期保存可能
万が一の災害への備えのために食料や水を備蓄しておく家庭も増加してきました。断水時に対する備えとして長い期間保存可能な水も購入できます。
実際のところ、ペットボトルの水も災害用の飲用水も水そのものに大差はありません。ただし、災害用の水は念入りに殺菌処理がされている上、ペットボトルそのものの強度や機密度が高まっています。
もともとの水の中身は通常のペットボトルの水と変わりありません。したがって、開けた瞬間から傷みが進行します。仮に5年保存ができても開けた後は冷蔵庫や冷暗所で保存し、最低でも3日くらいを目処に全部飲みましょう。
まとめ
水は毎日飲むものです。ペットボトルの使い回しは誰もがしたことがあるのではないでしょうか。
水は鮮度を保つことが大事で、それが健康にも繋がります。本記事の内容もぜひ参考にしてみてください。