水のコラム
シャワーの水圧が弱くなってきた時の対処法とは?
気持ちいいシャワーとは、シャワーヘッドから勢いよく水が噴き出てくるシャワーです。頭皮や肌にあたる水の力が、なんとも心地よい感覚をもたらせてくれます。
一方で、勢いのないシャワーの場合は物足りなさを感じてしまい、モヤモヤ感が残ってしまいます。あまり勢いがなさすぎる場合は、子どもが遊ぶゾウさんのジョウロのようで、くすぐったさを感じてしまいます。
シャワーに勢いがなくなるのは、水圧が低くなるからです。どうして水圧が低くなるのか、その原因と対処法を解説しましょう。
シャワーの水圧が弱くなる理由は?原因を特定
もともとのシャワーの勢いがなくなってきた場合には、いくつかの原因が考えられます。ここでは、3つの原因を解説しましょう。
■原因その1:シャワーヘッド部のフィルターが詰まっている
シャワーヘッドとシャワーホースの間には、パッキンと「ストレーナー」と呼ばれる小さなかごの形をした金属のフィルターが挟まっています。
水道水の中にあるゴミや異物を受け止めるためにあるのですが、このフィルターが詰まってしまうと水流も水量も少なくなって、シャワーヘッドから出てくる水に勢いがなくなってしまいます。
水道水が通っているので滅多に詰まることはありませんが、近くで水道工事にて断水した際や、同じ系統のどこかで水道工事をしていた際には、土が混じった濁った水が流れてきます。
この時に小さな異物や土が溜まって、詰まりを起こすケースもあります。また、長い間使っていると経年劣化にて錆が発生して、目詰まりを起こして、水の量が少なるケースもあります。
このフィルターに問題のない場合は、シャワーヘッドの故障か経年劣化にて、穴が潰れてしまっていることも原因として考えられます。
■原因その2:止水栓が全開でない
シャワーで利用する止水栓は2箇所あり、1つは混合水栓のお湯と水の各パイプの付け根部分に、ネジ式の止水栓があります。
シャワーホースの交換など、蛇口から水が出ないようにする工事を行なう際には、この止水栓を閉めて作業を行うことが多いです。
もう1つは、水道メーターの横にある止水栓で家中の水を止める元栓になります。混合水栓の止水栓が上手く閉まらない時などは、この元栓を閉めて作業を行ないます。
作業後は閉めた止水栓を開けるのですが、全開にしないで中途半端に開けると水圧が低くなってしまうのです。その結果、今までと違う勢いのないシャワーになってしまいます。
■原因その3:給湯器の故障
100%水でない限り、シャワーのお湯は給湯器を経由して供給されます。給湯器が故障して、充分な量のお湯を供給できなくなるとシャワーから出てくるお湯の量も少なくなってしまうので、勢いがなくなります。
また、断続的に勢いが強くなったり弱くなったりする場合は、安定した一定量を給湯器が送ることができなくなっています。
シャワーの水圧が落ちてきたらどうする?対処法を解説
シャワーの水圧が落ちて勢いがなくなる原因が分かったところで、ここではその対処法を解説しましょう。
■原因その1の対処法:フィルターの確認およびシャワーヘッドの交換
原因その1では、先ずホースとシャワーヘッドを外して、接続部にある金属のフィルターを確認します。錆ついているようなら、新しいフィルターへの交換が必要です。
水道工事などで小さな異物やゴミが付着していたなら、歯ブラシなどでこすり洗いしてキレイにしましょう。もう一度装着して、勢いが復活しているか確認します。
ここが原因なら解消されているはずですが、まだ水位圧が低いならシャワーヘッドの故障や目詰まりが考えられます。
確認方法としては、もう一度シャワーヘッドをホースから外して、ホースからの水の勢いを確認します。勢いよく水がホースから出ているにも関わらず、シャワーヘッドを装着すると勢いがない時は、シャワーヘッドを交換しましょう。
■原因その2の対処法:止水栓を全開にする
止水栓が全開でない場合が原因なら、混合水栓のお湯と水の両方のネジを、マイナスドライバーで反時計回り(左方向)に回して全開にします。
元栓も確認して同じく反時計回り(左方向)にいっぱいまで回して全開にします。止水栓が原因で水圧が落ちているなら、これで解消されるはずです。
■原因その3の対処法:専門業者に連絡して点検してもらう
給湯器が原因の場合は、素人が給湯器を分解したり触ったりするのは止めましょう。ガス給湯器の場合は、ガス漏れにもつながって危険ですし、資格がないと機器を触ることは法律で禁止されています。
エコキュートも複雑な機器なので、素人が触って直るモノではありませんから、それぞれの専門業者に点検を依頼して、修理または交換をしましょう。
自力での対応は?修理方法も解説
シャワーの水圧が低い時の自力での対応は、先の原因1のフィルターもしくはシャワーヘッドと、原因2の止水栓を全開にする2つのみです。修理方法は既にお伝えしていますが、まとめると次のようになります。
1:フィルター(ストレーナー)を掃除または交換する
2:シャワーヘッドを新品に交換する
3:止水栓と元栓を反時計回りに回して全開にする
これらの処置を行なったのにも関わらず、水圧が低い場合は次のことが考えられます。
■どこかが水漏れしている
シャワーの勢いが強かったのに急に弱くなった時は、水圧が低くなってしまっているのは確かです。家庭内の給水管から水漏れしているか、道路内の水道管が破損して水漏れしているかが考えられます。
また、共同住宅の場合は自宅でなく、他の家の水道管に問題がある場合も水圧が低下するので、水道局や管理会社に相談して、点検してもらうことをおススメします。
■給水装置の不備
マンションなど集合住宅では、一旦給水タンクに水を貯めてから各部屋に給水を行なっています。タンクは一定量以下に減らないよう常に自動で貯水される仕組みとなっています。
ただ、この貯水装置が故障するとタンクの中の水が減ってしまい、水圧が低下します。マンションの管理組合や管理会社に連絡して、確認してもらいましょう。
業者に依頼する時の費用相場
では自分で対応しないで、プロの業者に頼むとどのくらいの費用がかかるのでしょう。ここでは修理の費用相場を紹介します。
■カンタンな修理
セルフでも対応可能ですが、全ての人が修理できる訳ではないので、業者に依頼した際の費用相場を紹介しておきます。
・ストレーナーの交換:3,000円~5,000円
・シャワーヘッドの交換:5,000円~20,000円(交換するシャワーヘッド本体の費用で変わる)
・止水栓の調整:3,000円~5,000円
いずれも修理自体は1時間以内で完了しますが、出張料金が必要になるのでこのような費用相場になってしまいます。
■給湯器の点検
給湯器の点検は契約しているガス会社や電気会社で、無料で行なってもらえるケースが多いです。有料の場合でも点検だけなら3,000円ほどで済みますが、点検の結果修理になると1万円以上、交換になれば30万円以上の費用が必要になってきます。
■水道局の調査
家庭の敷地内の調査費は、5,000円から1万円ほど費用がかかり、修理になると状況によりますが、2万円以上かかるでしょう。
一方で、道路内の水道管に問題がある場合は、費用は発生しません。
■マンション内の点検
マンション内の水道管の点検は、大家さんや管理会社が行なうので個人の費用負担はありません。毎月支払っている共益費や管理費から支払われます。ただし、分譲マンションだと調査の結果、水道メーターより部屋側の給水管に異常がある場合は、費用は個人負担となり数万円必要になるでしょう。
まとめ
今回はシャワーの水圧が低い場合の原因と対応について、詳しく解説してきました。セルフ修理できるケースもありますが、給湯器や水道管の修理は自分ではムリなので、専門の水道業者に依頼しましょう。
その場合、どんな修理でも費用が発生するなら、見積もりをしてもらって、修理を依頼するか検討しましょう。
水道トラブルの多くは見積もりなしで工事を行って、修理後に請求が行なわれるケースが多いです。部品をばらしたりする前に、見積もりをお願いして費用に納得した上で、プロの水道業者に正式に修理を依頼しましょう。