水のコラム

洋式トイレの構造はどうなっているの?異常の確認方法を解説

2023年06月08日  トイレ

洋式トイレの構造はどうなっているの?異常の確認方法を解説
今やトイレの主流ともいえる洋式トイレですが、どういう仕組みかといわれると、首をかしげてしまう方がほとんどかと思います。仕組みを理解していれば、異常が発生したときにいち早く気が付けるため、便利です。
この記事では、洋式トイレの構造や異常が発生しているときの確認方法を解説します。

洋式トイレのタンクを構成するパーツ

洋式トイレは、複数のパーツにより構成されています。まずは、給水・洗浄を行うタンクを構成するパーツを覚えましょう。

止水栓と給水管

給水栓とは、タンク横についている管のことです。レバーを流すと、便器の洗浄とともに中への給水も始まります。このとき水を供給するのが、給水管です。給水管から供給される水量や水圧は、止水栓により調節されています。
止水栓は、栓の開き具合で給水量などを調節しているほか、故障時に水を止めるための道具としても活用されます。どちらもトイレの機能に関わる、大切なパーツです。

ボールタップ

タンクのふたを開けると、給水管とつながっているバルブのようなパーツが見えます。これが、ボールタップです。ボールタップは給水管の弁のような役割を果たしており、この後解説する浮き球・フロート部と連動することで給水しています。

浮き球・フロート部

ボールタップにアームなどでつけられているパーツです。ボールまたはオールのような形状をしています。このパーツが中の水位に合わせて動くことで、ボールタップが開閉し、中に水が供給される仕組みです。

フロートバルブ

タンクの下を見ると、ゴム状のバルブがあることに気が付きます。これがフロートバルブです。バルブは鎖で洗浄レバーとつながっており、レバーが動くと鎖に引っ張られてバルブが開き、便器内が洗浄されます。

オーバーフロー管

タンク内には、中の異常をチェックするためのパーツもあります。このオーバーフロー管は、白い管に黒字で「-WL-」などの線が記入されています。
給水機能が正常な場合は、オーバーフロー管の線よりも2~3cm下に水位が来ますが、異常があると線よりも高いまたは低い状態になるため、一目で異常が分かる仕組みです。

また、オーバーフロー管はタンクの水漏れを防ぐためのパーツでもあります。内の水位が管よりも高くなると、管から便器へ水が逃げるようになっています。
オーバーフロー管から水が出ていると、常に水が流れている状態になるため、中で起きている異常に気が付きやすくなるのです。

便器の仕組み

次に、便器の仕組みです。便器はタンクよりも単純な仕組みですが、配管部分に快適に使えるような工夫がされています。異常が発生するのも、配管に原因があるケースがほとんどです。こちらの仕組みもあわせて覚えておきましょう。

排水口トラップと封水

トイレの便器の中には、水がたまっています。これは、トラップと呼ばれる仕組みです。排水口は下水とつながっているため、悪臭や虫が上がってきます。これを防ぐために、封水と呼ばれる水が満たされているのです。

配管

トイレの配管は、封水を溜める関係上、中が複雑に折れ曲がっています。通常であれば、曲がっていても本来の洗浄機能で十分汚水を流せますが、タンク・便器・配管に異常が発生していると、中が塞がれてしまうのです。
配管内で封水の水位がいつもより高いまたは低い状態になる・異音がするなどの異常が発生しているときは、配管の修理が必要になります。

洋式トイレの水が流れる仕組み

トイレのレバーを操作すると、操作に合わせて鎖が動き、フロートバルブが持ち上がります。フロートバルブの動きに合わせて水が流れ、便器内が洗浄されます。汚水は水の勢いに乗り、配管先の汚水桝や下水道に流れていく仕組みです。

水が流れれば、当然タンク内の水位は下がり続け、その動きに連動して浮き球やフロート部も動きます。ボールタップは浮き球やフロート部が下がると弁を開けて給水を開始します。
併せてフロートバルブが閉じ、次の洗浄のための水が溜められるのです。

水位が上がり、浮き球やフロート部が上昇すれば、ボールタップも弁を閉じます。これが洗浄の流れです。

トイレの故障を確認する方法

タンクの中や便器の異常を発見し、修理方法のヒントを得る作業の流れを解説します。

用意する道具

確認作業には以下の道具が必要です。
・マイナスドライバー
・ゴム手袋

作業中の思わぬ水漏れを防ぐには、止水栓を閉める必要があります。マイナスドライバーを用意しましょう。タンク内のパーツを触れる際は、ゴム手袋で手を保護した状態で取りかかってください。

止水栓を閉める

まずは止水栓を閉めます。栓の溝にマイナスドライバーを入れ、反時計回りに回しましょう。閉めるときは回した回数をメモしておきましょう。止水栓はあらかじめ便器の洗浄機能に適した回数で開けられています。
栓を開けるときに適当な回数で回してしまうと、別のトラブルを引き起こしかねません。必ず閉めたときと同じ回数だけ回せるようにしておきましょう。

タンクのふたを外し水位や部品の異常を調べる

止水栓を閉めたら、タンクの中から確認します。ふたを外して中の水位や部品の異常を調べましょう。
まずは、タンク内に異物が落ちていないか確認してください。節水目的で水の入ったペットボトルなどを入れる方がいますが、これは洗浄機能を低下させる原因となります。
レバーを操作しても水が流れないなどの場合、レバーからフロートバルブの鎖が取れている可能性があります。鎖に異常がないか確認しましょう。外れている場合は、つけなおしてください。

次に、オーバーフロー管を調べましょう。水位が正常値にあるか確認してください。水位が正常値よりも高い・低い場合は、故障が発生している証拠です。調節・修理する必要のあるパーツがないか探してください。

なお、フロートバルブやボールタップは、一見異常がないように見えても、実際に触ってみると故障しているなどのケースがあります。一目でわかるような異常がないときは、一度水を流し、パーツを確認しましょう。

フロートバルブは劣化していると手にゴムの色がつきます。ボールタップは、水を流したり手で触れたりしても動かない場合があります。どちらも故障の症状です。新しいパーツを用意して、交換しましょう。

便器の水位や臭いなどから異常がないか調べる

次に、便器の中を確認します。封水の水位が低いまたは高いなどの異常がないか調べてください。封水の水位も、流した直後は正常でも、少しずつ減ったり高いまま戻らなかったりなどの症状が出ることがあります。流したときに観察しましょう。
便器の異常は、目に見えるものだけではありません。異臭や異音も症状のひとつです。普段はしない臭いや音がしたときは、詰まりなどの異常が発生しています。すぐに修理しましょう。

異常が見つかったときは修理し難しいときは業者に依頼しよう

タンクや便器に異常を見つけたら、症状にあわせた修理を行います。パーツ交換や配管掃除などを実施してください。修理後は止水栓を開け、動作確認します。異常が改善されたらタンクのふたを閉め、作業は完了です。
なお、自分で修理してもうまくいかないときや、修理が難しいときは、業者の力を借りてください。故障を放置すると悪化する可能性があります。できるだけ早めに、業者に修理を依頼してください。

まとめ

洋式トイレはタンクと便器で構成されており、複雑な仕組みです。少々大変ですが、仕組みを理解すれば、不具合や故障の原因解明や修理もできるようになります。
普段のメンテナンスからいざというときの対応まで、幅広いシーンで役立てられる知識です。快適にトイレを使えるようにするためにも、しっかり覚えておきましょう。

こうち水道職人 0120-492-315

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