水のコラム

親水用水の水質基準を知ろう!地域を潤す水の仕組みを解説【水道職人:公式】

2025年07月25日  その他


「親水用水(しんすいようすい)」という言葉をご存じでしょうか。
親水用水は都市や地域の中で身近に水を感じられるよう整備された用水であり、景観や環境、憩いの場としても大切な役割を担っています。
 
親水用水を安全に維持するためには、自治体が定める水質基準を守ることが欠かせません。
 
今回は、親水用水とは何かについてや、その水質基準、管理の仕組み、そして水道や水まわりの技術とのつながりについてご紹介します。
 

親水用水とはどういうもの?


親水用水とは、都市や農村の中で人々が水に親しめるように整備された、人工の水路やせせらぎのことを指します。
親水用水に利用されている水は、水道水や再生水、河川から引いた水などです。
 
地域住民の散歩道や公園の中を流れ、景観を彩り、周辺環境の温度を下げる効果をもたらすこともあるでしょう。
元々は農業用水として利用されていた水路を地域の再開発時に活用し、歩道や広場と一体化させて親水施設として生まれ変わらせる例も増えています。
 
水辺はお子様や高齢者の憩いの場となり、地域コミュニティを活性化させる重要な施設の一つになっています。
こうした施設が地域に点在することで、都市の乾いた景観に潤いが生まれ、ヒートアイランド現象の軽減にも貢献しているのです。
 
その一方で、誰もが触れやすいからこそ、安全性を確保するための水質基準が求められるでしょう。
 

親水用水の水質基準とは


親水用水の水質基準は、自治体のガイドラインに基づき定められています。
基準の代表例としては、大腸菌群数や一般細菌数、濁度(だくど)、臭気などが挙げられます。
 
例えば、大腸菌群数は100ミリリットル中50個以下とされ、異常なにおいが発生しないことや、視認での透明度が一定以上であることが求められるのです。
これは水辺に直接手や足を浸す利用者の健康を守るためのものであり、河川水をそのまま引き込む場合でも、簡易浄化設備を経由して管理することが推奨されています。
 
自治体によってはより厳しい基準を設定する場合もあり、都市計画や地域住民の意向に応じてローカルルールが追加されることもあるでしょう。
こうした基準をクリアするため、管理団体は日々の監視や水質測定を実施しています。
 
参考:修景用水利用・親水用水利用に関わる目標水質┃国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所
 

水質維持のための具体的な管理方法


親水用水は自然の河川と異なり、流量や水質を人為的に調整する必要があります。
そのため、導水口(どうすいこう)には砂ろ過装置や簡易沈殿槽が設けられ、落ち葉やごみを取り除く仕組みが整えられているでしょう。
 
また、循環ポンプを設置し、停滞した水を動かすことで酸素の供給を促し、藻類の繁殖を抑える工夫がなされています。
夏場は水温が上がりやすいため、紫外線殺菌灯を備えて微生物の増殖を抑える設備もあります。
 
清掃は自治体や委託業者が定期的に実施し、底に溜まった堆積物を除去することで水のにごりが防がれているでしょう。
管理は一般の方々の目が届かない場所で行われていますが、裏側での管理があるからこそ、親水用水の水質が維持されているのです。
 

親水用水の取り組み事例


例えば、親水用水を公園で活用する場合、雨水を一時貯留してろ過し、園内のせせらぎに循環させるシステムを採用していることがあります。
この仕組みにより水道水の使用量を削減し、降雨の多い時期には水資源の効率利用にもつながっているのです。
 
また、旧農業水路を整備し、親水広場と一体化させて、地域住民が水遊びを楽しめる空間を作り上げている場所もあります。
 
これらの取り組みではいずれも水質検査が定期的に行われ、基準値を満たしていることが確認された上で使用されています。
地域住民と自治体が協力し合い維持管理への理解を深めることで、美しい水辺が長期にわたって保たれているのです。
 

水道や水まわりの技術とのつながり


親水用水を維持するためのろ過や配管技術は、水道の現場で培われてきた技術と共通しています。
漏水を防ぐための継手やバルブの選定、定期的な水質モニタリング、異物除去の技術は、いずれも水道インフラの現場で長年積み重ねられたものです。
 
私たちの日常生活で活用している水まわり設備も、親水用水の管理や設計に応用されている技術と通ずるものがあります。
 
例えば、ご家庭の水まわりではフィルターや浄水器で不純物を取り除きますが、親水用水も同じくフィルターを通じて安全な水質状態を維持しています。
このように、親水用水は私たちが日常で使用する水道技術と密接に関わっているのです。
 

水質基準を守る意義と新しい管理方法


親水用水の水質基準を守ることは、利用するすべての方の健康を守り、地域環境をより良いものにすることにつながります。
もし水質が悪化すれば、悪臭や害虫の増加を招き、周辺住民の健康や土地資産の価値が失われてしまいます。
 
近年は気候変動による集中豪雨や高温化が進み、親水用水の管理にも新たな課題が生まれているでしょう。
そのため、最新の浄化技術やモニタリング技術を導入する取り組みが必要になっているのです。
 
新しい管理方法が取り入れられることにより、地域の水環境を長期にわたって守る役割を果たせます。
 

親水用水の水質基準を理解して地域を守る


親水用水は地域の景観や文化を形成する重要な要素です。
水辺があることで四季の変化を楽しめ、訪れる方の心を癒します。
そのため、管理者だけではなく、地域に住む一人ひとりがポイ捨てを控えるなどの意識を持つことで、より良い環境が守られるでしょう。
 
私たちこうち水道職人は、地域の親水用水が安全で美しい状態を保てるように、地域の清掃活動への参加に取り組んで参ります。
地域密着型の水道修理業者として、これからも地域社会とともに、快適な水まわりと水環境を未来へつなげていくことに尽力いたします。

こうち水道職人 0120-492-315

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