水のコラム
【2026年最新版】高知の冬は平野と山間部で別世界!地域別の水道管凍結トラブル対策

「南国土佐」とも呼ばれる高知県。
冬でも日中はポカポカと暖かく、コートがいらない日もあるほどですが、だからといって「凍結とは無縁」だと思っていませんか?
実は高知県は、「昼と夜の寒暖差」が非常に激しい地域です。
昼間は15℃近くまで上がっても、夜になると放射冷却で一気に氷点下まで冷え込む……この激しい気温差が、水道管に大きな負担をかけます。
また、四国山地の麓にある山間部などでは、雪国並みの豪雪と凍結に見舞われます。
「うちは南国だから大丈夫」という油断が、年末年始の思わぬ水漏れトラブルを招くんです。
今回の記事では、高知ならではの気候特性に合わせた、冬の水まわりトラブル対策についてご紹介します。
温暖な高知でも凍結トラブルが起きる理由

高知県の冬のトラブルは、雪が降る日よりも、むしろ「快晴の日の翌朝」に多く発生します。
その理由を紐解いてみましょう。
「放射冷却」による急激な冷え込み
高知市や南国市(なんこくし)などの平野部では、冬場は晴天率が高く、昼間は太陽の光で暖められます。
しかし、雲がない夜は地表の熱が空へ逃げていく「放射冷却現象」が強く働きます。
これにより、予報では暖かく見えても、明け方の数時間だけ局地的に氷点下まで下がることがあるんです。
この予期しない冷え込みが、防寒対策をしていない水道管を凍結させます。
「夏仕様」の住宅は冬の寒さに弱い
高知の住宅は、高温多湿な夏や、頻繁に来る台風に備えて、風通しを良くする構造(軒を深くする、床下を高くするなど)が多く見られます。
これは夏には快適ですが、冬になると冷たい隙間風が床下を通り抜ける原因となります。
床下の配管が寒風にさらされやすいのは、南国・高知の住宅ならではの弱点と言えるでしょう。
【エリア別】高知の凍結リスクマップ

東西に長く、海と山が隣接する高知県では、エリアによって適した凍結対策が必要です。
【高知市・南国市・土佐市などの平野部】
雪はめったに積もりませんが、前述の「放射冷却」には注意が必要です。
特に、家屋の北側に配置された洗面所や、勝手口など屋外にある給湯器、駐車場にある散水栓などは凍結しやすいポイント。
「昨日は暖かかったのに、朝起きたら水が出ない」というケースが非常に多いエリアのひとつです。
【本山町・大豊町などの山間部】
四国山地に含まれるこのエリアは、冬になると積雪・凍結は日常茶飯事です。
標高が高いため気温がマイナス5℃以下になることも珍しくなく、本格的な寒冷地仕様の対策(凍結防止ヒーターの設置など)が必須と言えます。
特に注意したいのが、別荘や空き家をお持ちの方。
管理が行き届かず、水道管が破裂してしまってから長期間気付かない……といったケースも散見されます。
【四万十市・宿毛市などの西部・沿岸部】
黒潮の影響で比較的温暖ですが、北西からの季節風が流れ込む日などは注意が必要です。
また、沿岸部では「塩害」によって配管の保温テープが劣化していることも多く、裸になった配管が寒風で凍結するパターンも少なくありません。
今日からできる凍結予防策

天気予報で「明日の朝は冷え込む(0℃以下)」という予報が出たら、就寝前に少しだけ準備をしておきましょう。
基本の凍結予防法3つ
- ①少量の水を流しておく:就寝前に、お風呂やキッチンの蛇口から「鉛筆の芯くらいの太さ」で水を出しっぱなしにします。流れている水は凍りにくいため、凍結対策として非常に有効です。
- ②露出配管の「重ね着」:屋外のむき出しになっている蛇口や配管に、使い古したタオルや気泡緩衝材(プチプチ)を巻き付けます。濡れると逆効果になるため、必ず上からビニール袋をかぶせてテープで止めてください。
- ③水抜きを行う(山間部):山間部にお住まいの方や、屋外の散水栓などは、元栓を閉めて蛇口を開け、管の中の水を抜いておくのが最も確実です。
凍結した時の正しい対処法

急な凍結トラブルに見舞われたとしても、焦って配管などに熱湯をかけるのは絶対に厳禁です。
高知の気候では昼間に気温が上がるため、自然解凍を待つのも一つの手ですが、急ぐ場合は以下の手順で行ってください。
安全な解凍手順
- 凍結箇所を確認する:どの蛇口が出ないのか確認しましょう。
- 蛇口を少し開けておく:解凍された時に水が出るよう、ハンドルを少し開けます。
- ぬるま湯をゆっくりかける:「40〜50℃(お風呂の温度くらい)」のぬるま湯を凍結している部分にゆっくりと注ぎます。
【絶対にやってはいけないNG行動】
- × 熱湯をかける:温度が急激に変化することで配管の破裂や変形などさらなるトラブルに繋がります。
- × 無理に蛇口を回す:固まってしまった内部のゴムパッキンなどが破損する可能性があるため、慎重に様子を見ながら操作しましょう。
【動画でもっと詳しく】凍結対処法を実演解説
公式Youtubeチャンネルの「水道職人ちゃんねる」では、配管凍結時の正しい対処法をクイズ形式の動画でより詳しく解説しています。
ぬるま湯での解凍方法のほかにも、身の回りのもので使える凍結トラブル対策の情報について、実際に作業している様子を映像でご覧いただけますので、ぜひ参考にしてください。
▼ YouTube動画はこちら

【凍結トラブル】緊急時の対処法3選:水道職人ちゃんねる
年末年始に家を空ける際は凍結対策を忘れずに

お正月休みを利用して旅行に行く方や、実家へ帰省する方などは、不在時の凍結にも注意が必要です。
【留守にする前のチェックリスト】
- ●水道の元栓(止水栓)を閉める
- ●屋外の散水栓などの水を抜く
- ●給湯器のブレーカーは落とさない(凍結防止ヒーターを作動させるため)
- ●水道メーターボックスの中に、発泡スチロールやタオルを詰め込んで保温する
特に、メーターボックスが浅い場所に設置されている古いお宅では、ボックスごと凍結することがあるため、保温対策が重要です。
「台風銀座」の高知ならでは!雨戸の意外な保温効果

高知県といえば、台風の通り道としても有名で、「台風銀座」などと呼ばれることもあるほどです。
そのため、多くの戸建て住宅には、頑丈な「雨戸(シャッター)」が設置されています。
実はこの雨戸、台風の時だけでなく、冬の凍結対策にも非常に役立つことをご存知でしょうか?
雨戸を閉めるだけで「保温効果」がアップ
窓ガラスと雨戸の間に空気の層ができることで、断熱効果が生まれます。
これにより、室内の暖かい空気が逃げにくくなるだけでなく、窓の近く(ベランダや壁際)を通っている水道管や給湯器のリモコン配線などを、冷気から守る効果が期待できます。
隙間風をシャットアウト
高知の家は「隙間風」が入りやすい構造が多いですが、雨戸を閉めることで冷たい外気の侵入を大幅に防げます。
「わざわざ雨戸を閉めるのは面倒」という方も多いですが、天気予報で冷え込みが予想される夜は、台風対策と同様に、雨戸をしっかり閉めることをおすすめします。
翌朝の室温の低下や、窓際の結露、そして配管の凍結リスクが驚くほど軽減されます。
よく寄せられる冬の凍結Q&A

高知県内のお客様から、冬場によくいただくご質問をいくつかまとめてみました。
Q1. 高知市内でも対策は必要ですか?
はい、対策しておくことをおすすめします。
雪が降らなくても、放射冷却などの影響で、気温がマイナスになる日は少なくありません。
特に「風が強くて寒い日」よりも「風がなく雲のない晴れた日」の方が、朝方の冷え込みは厳しくなりますので要注意です。
Q2. 井戸水のポンプが動かないのですが……
郊外や農家のお宅で多いトラブルです。
井戸用ポンプは屋外に露出していることが多く、水道管よりも先に凍結・破損しやすい設備です。
ポンプ本体に毛布をかけたり、専用の保温カバーを付けたりして対策しておきましょう。
すでに凍結してしまってご不安な場合は、一度専門業者にご相談することをおすすめします。
Q3. 水を出しっぱなしにすると、水道代が高くなりませんか?
地域によりますが、鉛筆の芯くらいの太さで一晩(8時間)流した場合でも、水道代は数十円程度です。
もし凍結して配管が破裂してしまうと、修理費用に数万円かかってしまうこともありますので、「一晩数十円の保険」と考えて、冷え込みが厳しい夜は迷わず水を流すことをおすすめします。
冬の高知を安心して過ごすために

南国・高知の冬は、「油断」さえしなければ十分に乗り切れます。
「台風には備えるけど、寒さには無防備」といった状況にならないよう、安心して冬を過ごすためにも対策は怠らないようにしたいですね。
少しでも水まわりに違和感を覚えたら、早めに専門業者に相談してみてください。
私たち「こうち水道職人」は、高知の気候や住宅事情に精通した水まわりのプロフェッショナルです。
お見積りは無料で、金額にご納得いただいてからの作業を徹底しておりますので、初めての方でも安心してご依頼いただけます。365日・24時間体制で受け付けておりますので、年末年始の急なトラブルなどの際もぜひお気軽にご連絡ください。













