水のコラム
食洗機用の分岐水道栓の取り付け方や注意点、分岐水道栓を選ぶコツ
引っ越しの際、食洗器が新居の水道栓に合わずに困った経験はありませんか?今まで使えていた食洗機を新居でも引き続き使用したいですよね。しかし、食洗器が水道栓に合わずに諦めてしまった方もいるかもしれません。
そのようなときは、分岐水道栓が活躍します。分岐水道栓とは、蛇口から水を引っ張るための外部アダプターのようなものです。分岐水道栓を活用すれば、新居でも食洗器を引き続き使えます。
本記事では、自分で分岐水道栓の取り付けをする上での注意点や、押さえておくべきポイントを解説します。
食洗機用の分岐水道栓を取り付けるための道具
食洗機の分岐水道栓の取り付けに、難しそうというイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか。分岐水道栓は、実は取り付けが簡単です。取り付けるのに必要な道具は次の2つです。
・レンチ
・ドライバー
レンチは、ボルトやナットを締めるために必要です。サイズに適合したレンチを準備する必要があるので、あらかじめ確認してから準備してください。レンチはホームセンターなどで手軽に手に入ります。
サイズに合ったレンチがなければ、ウォーターポンププライヤーやモンキーレンチを活用してください。モンキーレンチは、工具慣れしていない方でも扱いやすいアイテムです。ドライバーは、混合水道栓の場合に必須のアイテムです。
レンチとドライバーがあればだいたいの分岐水道栓は取り付け可能ですが、蛇口の種類によって、レンチとドライバー以外の専用工具が必要になるタイプもあります。工具を準備する前に、どの工具が必要なのかをあらかじめ確認しておきましょう。
分岐水道栓の取り付け方
必要な工具がわかったところで、ここでは分岐水道栓の取り付け方法を紹介していきます。手順は大きく8ステップです。詳しく見ていきましょう。
1. キッチン水道栓に水が流れないよう、必ず止水道栓を締める
2. キッチン水道栓のレバーを外す
3. 水道栓の本体カバーを外す
4. 分岐水道栓本体を水道栓本体に接続する
5. 分岐水道栓本体に、カートリッジを差し込む
6. 本体カバーを分岐水道栓の上から戻す
7. レバーも元通りに戻す
8. 水が適切に出るか確認します
分岐水道栓の取り付けする前に、必ず元栓は締めてください。元栓を締めておかないと、水道栓を分解していく途中で水が噴き出してしまう場合があります。水が噴き出すと焦ってしまいますし、他の部屋にも浸水被害が広がってしまうかもしれません。
集合住宅の場合には、階下にも迷惑をかける恐れがあります。また、湿気が強くなってカビが発生する原因にもなるので気を付けましょう。元栓は集合住宅であれば、玄関を出て左右正面のメーターボックスの中にあります。
一戸建ては、敷地内の地面にメーターボックスがあるはずです。次にキッチン水道栓のレバーを外してください。水道栓のタイプによって、レバーの外し方は異なります。主に「上方向に少し力を入れれば外れるタイプ」と「ビスで固定されているタイプ」の2種類です。
レバーが外れたら、水道栓の本体カバーを外します。この作業では場合によってレンチが必要です。カバーが外れたら中にあるカートリッジを外し、水道栓本体に分岐水道栓を繋げます。
次に、既存の水道栓カートリッジを差し込みます。そして水道栓を外すときに外したカバーを、分岐水道栓の上から戻してください。作業手順は取り外した時と逆の手順です。カバーを戻したら、水道栓レバーを元の位置に戻します。
ビスで固定されている場合は、ビス止めもしっかり行ってください。最後に止水道栓を少し回して、レバーを吐水にして水が適切に出るかをチェックします。水道栓から水が漏れてしまう場合は、取り付け方が甘い可能性があります。4~7の手順をもう再確認してみてください。
分岐水道栓を取り付ける場合の注意点
食洗器用の分岐水栓を取り付けは、次の点に注意しましょう。
・安全第一で行う
・お湯の温度に気を付ける
・食洗器の設置場所を確認しておく
まず、分岐水栓の取り付けは「安全第一」で行いましょう。鋭い刃物などを使うわけではありませんが、食洗器本体は重いため指を挟むなど怪我する恐れがあります。女性一人での作業な特に危険です。
また、食洗機は機種によって「対応している水の温度」が異なります。食洗器の取り扱い説明書を事前に確認したうえで、作業してください。お湯に対応している食洗機でも、給湯温度は60℃以下と決められています。
お湯を使用することで汚れは落ちやすくなりますが、食洗機によっては低温のお湯を使用するよう定められているものもあります。家庭で使用している食洗器の規定の温度を必ず確認しておきましょう。
そして、分岐水道栓の分岐方向によって、「食洗機の置く位置」が変わってきます。食洗機とは逆の方向へ分岐水道栓が向いていると、チューブが届かなかったり、チューブを遠回りに持ってくる必要があったりすることがあります。あらかじめ食洗機のスペースを把握し、設置場所を決めておきましょう。
分岐水道栓を選ぶコツ
分岐水道栓はホームセンターで購入できます。しかし、種類が豊富でどれを選べば良いのか困ってしまう人が多数でしょう。中には水道栓に合わないものもあり、間違った水道栓を選ぶと取り付けられません。水道栓の選び方は次の3つの場合によって異なります。
・蛇口のメーカーがわかる場合
・蛇口のメーカーがわからない場合
・蛇口が全メーカー共通の物である場合
蛇口の裏側にあるシールを確認すると、メーカー名や製品番号が書かれています。分岐水道栓は品番で分類されているので、メーカーのホームページから製造番号で品番を調べてください。
なおシールにすでに品番が記載されている場合もあります。品番に合った分岐水道栓を用意しましょう。古い蛇口などは、シールの文字が読めなくなってしまっていることもあります。メーカー名がわからない場合は、取扱説明書を確認しましょう。
取扱説明書が手元にあればメーカーや品番、問い合わせ先まで分かります。蛇口の品番は説明書の表紙部分に載っていることが多いです。また、多くの家庭では浴槽やキッチンなどの他の水回りとメーカーが同じである可能性が高いです。
蛇口のメーカーがわからない場合は、他の蛇口のメーカーを確認してみましょう。なお、蛇口が全メーカー共通のものであれば、汎用品の分岐水道栓を利用できます。汎用品の分岐水道栓は4種類のみなので比較的選びやすく、おすすめです。
まとめ
ここまで、自分で分岐水道栓の取り付けをする上での注意点や、押さえておくべきポイントを解説してきました。食洗器用の分岐水道栓は、水道栓の種類によって選ぶ必要があります。少し手間かもしれませんが、それ程難しい作業ではありません。
ツーハンドル混合栓は、非常にシンプルで分岐水道栓の取り付けも簡単です。シングルレバー混合栓はメーカーや型式を確認してから行う必要があり、型式がわからなければメーカーに問い合わせてください。
現在使用中の水道栓の品番があらかじめわかっていれば、分岐水道栓は間違えることなく手配できます。しかし、古い水道栓の場合は適合するか心配なこともあるでしょう。事前にしっかりと確認した上で取り付けるようにしましょう。