水のコラム
排水栓の構造とは?排水栓の役割と汚れの落とし方を解説
排水栓とはお手洗いやお風呂で排水するときに水流を栓で停止したり流したりする調節器具のことです。排水栓には汚水が流されていくので水流が滞りがちな場所です。
排水栓の方式には主に2種類あり、それぞれ違う構造を持っています。ここでは、具体的な場所と仕組みを解説した上で、清掃方法について解説します。
排水栓のタイプと構造
ここでは、お手洗いにある2つの方式の排水栓はどこにあるのかとその仕組みを解説します。
ゴム栓を使う排水栓
はじめにゴムで栓をする排水栓です。こちらは洗面台に付けられた鎖の先端部にゴム形状の黒い円形栓を用いて水を止める構造になっています。
排水管本体は、リング形パッキンや締めつけられるナットネジで一つになっている仕組みを持っています。洗面台下のところにあるナットをゆるめて排水栓を取り外せます。
ポップアップ方式の排水栓
ポップアップ方式の排水栓は、カランについているレバーパーツを作動させることで止水できる、ゴム栓を使う排水栓よりもニュー方式の排水栓です。水流を止める用のフタの下箇所には、網目式の受け皿があるため、毛髪や小さなゴミ汚れを受け止められます。
ポップアップ方式の排水栓は、洗面台の下のところから直線的にのびてくる排水栓のサイドからワイヤーが出てくる仕組みになっています。
ワイヤーはカラン周辺のレバーハンドルと通じており、連動しています。レバーハンドルを押し引きすることにより、ワイヤーを通じて水止め用のふたを開閉できるのです。よって、ゴム栓を使う排水栓のように素手で排水口に設置する必要がありません。
交換する排水栓の選び方
洗面台の排水栓を取り替えるときは、自宅の洗面台に合った方式の排水栓を見つけることが大事です。適合していない排水栓を選んでしまうと、取り付けられません。そこで、ここからは取り替えするときのポイントを解説していきます。
適切なサイズを選定する
排水口の穴の大きさをあらかじめ調べてからその大きさにフィットした排水栓を選びましょう。取り替える前に使っていたものと同メーカー、あるいは同種類のものを選んだ方が規格・方式の間違いを避けられます。
したがって、あらかじめ穴の直径を計測しておくことをおすすめします。排水栓はオンラインストアやホームセンターで購入できます。
ただし、ゴム栓を使う排水栓からポップアップ方式排水栓に取り替える場合、洗面台の下のところにある排水用のパイプ取り替えも必要です。
ゴム栓を使う排水栓は、排水口から直でパイプが出てきます。他方、ポップアップ方式の排水栓の場合、パイプからレバーハンドルに通じているパイプが突き出しているのです。よって、排水用のパイプも同時タイミングで取り替えましょう。
洗面台が取り付け対応しているか
洗面台の種類によっては、方式のちがう排水栓の取り付けに対応していないケースもあります。ゴム栓を使う排水栓の場合は、穴の大きさのみ適合していれば取り付け可能ですが、ポップアップ方式排水栓の場合は、洗面台やカランが対応していないと取り付けできません。
よって、ゴム栓を使う排水栓からポップアップ方式排水栓に取り替える場合は、事前に洗面台が対応しているのか調べておきましょう。
各排水栓の清掃・取り替え方法
ここからは、2種類の排水栓の清掃方法を説明します。
排水栓の清掃方法
まず、ゴム栓を使う排水栓です。こちらの清掃方法は至極かんたんなもので、不要な歯ブラシや台所用スポンジを使用すれば楽に汚れを落とせます。通常、台所用スポンジのザラリとした硬い側面を使ってこすり洗いをすれば、おおよその汚れは落ちるでしょう。
ちなみに汚れが落とせない場合は、台所用ハイターをスポンジに浸してこすり洗いし、ダイレクトに汚れ部分にハイターをつけて放置し待つのがおすすめです。
次に、ポップアップ方式の排水栓は、毛を捕まえる仕組みを持っています。よって、マメな清掃をしないとすぐに髪の毛に絡んだ汚れなどが溜まってしまいます。そして、積もった毛髪によって水が流れなくなってしまうのです。
さらに、部品が劣化してくると、蓋を閉めているのに水が流れてしまう場合もあります。経年で老朽化してきた場合は、新品の排水栓と取り替えるのがいいでしょう。
ポップアップ方式の排水栓の清掃手順は、はじめに水栓上側の蓋を抜き、抜いた蓋を不要な歯ブラシでこすり洗いします。
そのあと、排水口に集まった髪の毛を取り除き、排水口周辺の汚れを台所用スポンジや不要な歯ブラシでこすり洗いし、ゴミ汚れを洗い落としていきましょう。
こすり洗いが終わったら、ゴミ汚れをすすぎながら洗っていきます。すすぎ洗いが終了したら、蓋を元に戻して完了です。
そのとき、洗面台の排水栓の中心部から突出部分にきちんとはめましょう。真っ直ぐに装着できていないと、レバーを作動させたときに円滑に閉まらないことがあります。よって、ピッタリはまるまで押し込んでおきましょう。
排水栓の取り換え方法
ここからは、排水栓の取り替え方法をそれぞれ説明していきます。ゴム栓を使う排水栓は、先にお伝えした清掃をしても汚れが最後まで落ちなかったり、10年以上使用したりしている場合は、取り替えざるを得ないケースもあります。
ゴム栓を使う排水栓については自力交換することもできます。ゴム栓を使う排水栓のチェーンの根元のところはネジ型になっており、左回りにまわすと外れます。
ここでの注意点は、大きさを選ぶ方法です。自分で大きさを計測できるときはネットストアで購入しても問題ありませんが、心配なときはホームセンターにものを持ちこみ、誤りなく適合する大きさを購入することをおすすめします。
一方、ポップアップ方式の排水栓を取り替える場合は、排水栓用パイプだけでなく、カラン周辺に装備されているワイヤーとレバーハンドルも外す必要があります。
レバーハンドルを外すためには、カランも取り外さなければなりません。カランは素手で外すには固すぎるので、モンキーレンチを活用しましょう。
作業前には、水が溢れることも考えて止水栓を閉めておきます。止水栓はネジをひねる方式がほとんどなので、ドライバーを用意しておきましょう。道具を準備できたら作業開始できます。
以下、ポップアップ方式の排水栓の取り替え方法について解説します。
・水がこぼれないように止水栓を閉める
・排水栓の下のところでレバーと通常閉じているワイヤーの接合器具を外す
・洗面台下のところにあるナットをゆるめて外す
・カラン本体をひねりながら取り外す
・カランの下からのびているワイヤーを左回りにひねりながら取り外す
・新品のポップアップ方式排水栓を洗面台に取り付ける
・新しく購入したワイヤーをカランに差し込む
・ワイヤーの先端部についている金属部品をポップアップ方式排水栓の接合部分に取り付ける
以上の一連作業が終了したら、一度レバーハンドルを押し引きし、排水栓の蓋が開閉できるか確認しましょう。異常なく動作すれば完了です。
取り替えても水漏れするときは、蓋の直ぐ下にシルバーカラーのリングが確実についているか確認してみましょう。
もしついていなければ、改めて分解してシルバーカラーのリングが洗面台の表側からチェックできるように取り付けます。なお水漏れするときは、水道業者にお願いしてみてもらうことをおすすめします。
まとめ
この記事では、排水栓があるところとその仕組み、清掃方法を解説してきました。最近の一般家庭ではポップアップ方式排水栓を使うことが多くなってきています。
仕組みがゴム栓を使う排水栓と比較して単純ではないので、清掃にも手間がかかるのが特徴です。繰り返しになりますが、定期的清掃は欠かさないようにしましょう。