水のコラム
トイレの水圧が弱いのはなぜ?原因の見分け方と自分でできる対処法【水道職人:プロ】

トイレを流したときの勢いが以前より弱くなった気がする……詰まっている感じもしないのに、なんとなく物足りない……。
そうした状態が続いている場合、なんらかのトラブルにより水圧が低下してしまっている可能性が考えられます。
ただ、ひとくちに水圧が弱いといっても、実際の症状やその原因は様々です。
流したときに汚物が残ってしまったり、次に流せるようになるまで時間がかかってしまうケースなど、同じ水圧関連のトラブルでも疑うべき場所は違ってきます。
そこで今回のコラムでは、トイレの水圧が弱いと感じた場合の症状の見分け方から、自分でできる対処法や業者に相談したほうがいいケースの見極め方などについて、順に解説します。
まずどこの水圧が弱いのかを確認

まずトイレのチェックに入る前にやっておきたいのが、トイレ以外の蛇口を開けてみることです。
キッチンや洗面所の水も同じように勢いが弱いようなら、トイレだけの問題ではなく、家全体の給水に原因があります。
水道の元栓が開ききっていなかったり、断水や工事の影響が出ていたり、集合住宅であれば受水槽やポンプの不具合といった可能性も考えられますので、この場合は管理会社や水道局などへの確認を優先してください。
その他の蛇口が普通に使用できているようであれば、原因はトイレまわりに絞られます。
よくあるパターンとして、次の3つのどれかにあてはまるかどうか一度確認してみてください。
流したときの勢いが弱い
最も多いケースが、レバーを回しても水がちょろちょろとしか出ない、汚物が流れきらないといった症状。
タンク式のトイレの場合、流す勢いを生んでいるのは水道からの直接的な圧力ではなく、タンクに溜まった水の量とその落差によります。
一度、タンク内の部品やタンク自体の状態が正常かどうかを確認してみると、解決の糸口が見つかるかもしれません。
ただし流したときに、水位がかなり上がってからゆっくり引いていく、ゴボゴボと異音がする、といった症状があるようなら、水圧ではなく排水管詰まりの初期症状である可能性も考えられます。
こちらに関しては以下の記事にて詳しく解説していますので、思い当たる方はあわせてご覧ください。
(関連記事:トイレの水の吸い込みが弱い原因と今すぐできる対処法)
タンクに水が溜まるまでが遅い
他にもトイレの水圧に関するトラブルでよくあるのが、流したあと次に使えるようになるまでにかなりの時間がかかってしまうケースです。
こちらはタンクへ水を送り込む給水側の問題である可能性が高く、止水栓の開き具合や、給水を制御している部品の劣化などが疑われます。
温水洗浄便座の水勢だけが弱い
トイレの洗浄自体は問題ないのに、温水洗浄便座(ウォシュレットなど)の勢いだけが落ちている場合も症状としてはよくあるパターン。
ほとんどの機種には水勢を調整する設定があるため、まずは念のためにリモコンの設定を確認しておきましょう。
設定が問題ないようであれば、温水洗浄便座に搭載されているフィルターにゴミが詰まっていたり、本体自体に問題があるケースが考えられます。
フィルターの有無や故障に関する対応方法については、メーカーや型番によりますので、一度ご自宅で使用している機種の取扱説明書などを確認してみてください。
タンクレストイレで水勢が弱い場合は

タンクレストイレは、基本的に水道の圧力をそのまま使って流す仕組みですので、タンク式とは確認するポイントが変わります。
まず見ておきたいのが給水フィルター。
以前は問題なく流れていたのに最近になって弱くなったという場合は、ここにゴミが溜まっていることがよくあります。
フィルターの位置や外し方は機種によって異なるため、取扱説明書などを確認しながら進めてみてください。
一方、設置されていた時からずっと弱いままという場合は、掃除などでは解決できない可能性も高くなります。
そもそも住宅側の水圧が機種の必要な条件に届いていない可能性もあるため、この場合は設備側のチェックなど専門的な対応が必要になるでしょう。
自分でできる対処法

原因の見当がある程度ついたら、できる範囲で実際に対処法を試してみましょう。
ただし、いきなり部品を外すなど決して無理はせず、簡単なところから順に確かめていくのがおすすめです。
不安を感じるようであれば、すぐに専門業者への依頼を検討してみてください。
まずは止水栓の開き具合から
いちばん手軽で、しかも効果が出やすいのが止水栓の調整です。
床や壁から便器へつながる給水管の途中に、マイナスドライバーで回す溝のついた栓が付いています。
機種によってはハンドルタイプのこともあるため一度確認してみてください。
この栓を反時計回りに回すと開き、時計回りで閉まるシンプルな仕組みです。
少しずつ開けては水を流して勢いを確かめてみる、これを繰り返しながら水の勢いを調整していきましょう。
一気に開けきってしまうと、今度は水があふれたり、タンク内で水はねが起きたりすることもありますので、様子を見ながら慎重に進めるのがポイントです。
ちなみに、作業前に「何回転で今の位置になったのか」をある程度覚えておくと、うまくいかなかった時にすぐに元の状態に戻せます。
また長年動かしていない止水栓は固着していることも多く、力任せに回すと折れたり水漏れを起こしたりもしかねませんので、無理だと感じたらすぐに作業を止めるようにしてください。
タンクの中を確認する
止水栓に問題がないようであれば、次はタンクの中も確認しておきましょう。
フタの部分は陶器製でかなり重く、手洗い管のホースがつながっている機種もあります。
持ち上げる際は両手でゆっくりと作業し、外したフタは倒れない場所に慎重に置くよう注意してください。
中を覗くと、まんなかあたりに細長い筒が立っているはず。
これが「オーバーフロー管」という部品で、タンクの水があふれないよう余分な水を逃がす役割を担っています。
さらにその近くには水面に浮いた「浮き球」と呼ばれる球状の部品があり、これが水位に合わせて上下することで給水を止めるという仕組みです。
機種によっては球ではなく円盤状のものが付いていることもありますので一度見てみてください。
タンク内で確認しておきたいのは次の3点。
- 水位がオーバーフロー管の上端から2〜3cm程度下まで来ているか
- 浮き球がきちんと水に浮いているか(沈みかけていないか)
- タンク内に余計な物が入っていないか
節水目的で水を入れたペットボトルなどを沈めている場合は、取り出しておきましょう。
タンクの水量は汚物を流しきれるように設計されているため、減らせばその分当然ですが勢いは落ちます。
部品にぶつかって動作を妨げることもありますので、基本的にはメーカー各社も推奨していない方法です。
その上で、タンク内の水位が明らかに低いようであれば、ダイヤフラムやボールタップと呼ばれる部品の劣化が疑われます。
部品の交換については、工具や構造についての知識があれば個人でも対応できる範囲ではありますが、必ず作業前には止水栓を閉めて水漏れなどの余計なトラブルに発展しないよう注意してください。
また作業途中であっても、自分ではこれ以上難しいと感じた場合は、無理をせず専門業者にすぐに相談するようにしてください。
ウォシュレットのフィルター掃除
ウォシュレットの勢いだけが弱い場合は、給水フィルターの掃除で改善することもよくあります。
止水栓を閉めたら、本体側面や底面にあるフィルターを外し、歯ブラシなどでゴミを落として戻すだけです。
ただし繰り返しになりますが、機種によって位置や外し方が違うため、基本的にはメーカーサイトや取扱説明書などを確認しながら慎重に進めるようにしてください。
もしそれでも改善しない場合は、温水洗浄便座自体の故障である可能性が高くなるため、なかなかご自身での対応は難しくなるかと思います。
本体の対応状況や機能の確認なども含めて、一度専門業者に相談してみるのがおすすめです。
すぐに専門業者に相談したほうがいいケース

次のような状態の場合は、自分で手を加えるよりも早めに専門業者に見てもらったほうが、結果的に費用も手間も軽く済むケースが多いです。
- 止水栓を調整しても勢いが戻らず、タンクの水位も低いまま
- 止水栓が固くて回らなかったり、回した拍子に水がにじんできた
- 便器の水位が上がった後に引いていく
- 水を流すと別の場所で異音がする
- タンクレストイレで、設置当初からずっと水勢が弱い
- 設置から10年以上経っている
特に気をつけたいのが、止水栓に異変があるケースです。
固着した栓を力任せに回すと、部品が折れて水が噴き出すこともあります。
作業中に少しでも水がにじんでくるようなら、そこで手を止めるようにしてください。
また判断に迷いやすいケースとして、設置から10年以上経っている場合。
この年数を超えてくると、いくつか部品を替えたとしても、しばらくするとまた別の部品が寿命を迎えてトラブルに……といったループにおちいってしまいがちです。
その都度直していくよりも、便器ごと交換してしまった方が結果的に安く収まるケースも少なくありません。
修理と交換のどちらが妥当かは現物を見ないと判断しづらいため、迷っている方は、交換の必要性も含めてプロに相談してみることをおすすめします。
ちなみに、賃貸住宅にお住まいの場合は、部品やトイレを交換する前に必ず管理会社や大家さんへ連絡を。
トイレは建物の設備にあたるため、勝手に手を加えると、余計に厄介なトラブルに発展してしまうこともあるため注意しましょう。
トイレの水圧トラブルは原因の切り分けがポイント
トイレの水圧が弱いと一口に言っても、流す勢いなのか、給水の遅さなのか、症状によって対処すべき場所はかなり違ってきます。
まずは症状をはっきりさせた上で、止水栓やタンクの中といったすぐに確かめやすいポイントから順に見ていけば、自分で解決できるケースも少なくありません。
とはいえ、部品の劣化が進んでいたり、排水管の奥やトイレ自体に原因があったりすると、個人での対応はなかなか難しいものです。
そんな時は、私たち「こうち水道職人」にぜひお声がけください。
こうしたトイレに関するトラブルはもちろん、水まわりのトラブルに幅広く対応しており、24時間体制でご相談を受け付けています。
現地にて状況を確認した上でお見積もりをお出しし、金額にご納得いただいてからの作業を徹底しておりますので、費用が心配という方もご安心ください。
実際にトラブルかどうかも分からない、といった段階でも構いませんので、お気軽にご連絡ください。
※本記事でご紹介している方法は、一般的な対処法の例です。
作業を行う際は、ご自身の状況や設備を確認のうえ、無理のない範囲で行ってください。
記事内容を参考に作業を行った結果生じた不具合やトラブルについては、当社では責任を負いかねます。
少しでも不安がある場合や、作業に自信がない場合は、無理をせず専門業者へ相談することをおすすめします。













